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やりすぎ「毛穴ケア」が肌をいためる

毛穴ケアは、やりすぎてしまう人が多いことが何より問題です。鏡に近よってじっと見ていると、黒い穴が無数に開いていて、この黒いものをなんとかしたいと誰しも思うでしょう。黒いものを取り出せば穴が見えなくなるような気がして、衝動的にクレンジングやゴマージュでこすってしまう人が多いのです。こすってもこすっても黒いものはなくならないので、ついやりすぎて、肌をいためてしまったというケースをよく拝見します。

しかし実際に何かが詰まっているために黒ずんで見える人は少数派です。毛穴は穴だから、何も黒いものが詰まっていなくても黒く見えるのです。鼻の穴が黒く見えるのと同じです。人間であれば誰でも毛穴はあるのです。毛穴をなくすことはできません。雑誌の写真などは、モデルさんの顔がアップになっていても毛穴がまったく見えないものがありますが、最近の写真は(デジタルになったので)ほとんどが修整されています。

前ページのタイプ②の場合以外、穴の中の黒いものの正体はいわば「影」なので、もちろん取り出すことはできません。タイプ②であっても、角栓をとっても穴が縮むわけではないので、やはり黒い影は残ります。子供の頃、自分の影法師から離れようとして、懸命に走ったり飛び馳ねたりした経験がありますか? 影は、どうやってもついてきます。影をなくそうと懸命になって、肌をいためてしまうことはあまりに悲しいことです。

「毛穴の黒ずみ」の正体は?

男女間わず年齢を問わず、毛穴を気にする人がとても増えました。中でも「毛穴が黒ずんで気になります」という声が最も多いようです。毛穴が目立つ人のパターンは大きく分けて以下の三つです。自分の毛穴のタイプを見極めて、正しいケアを心がけましょう。

①毛穴が開いているタイプ
鼻とそのまわりに丸い毛穴が目立ちます。これは皮脂腺そのものが大きいためで、遺伝的な肌質によるものですが、脂っこいものの食べすぎや生活の不規則によって悪化することもあります。このタイプはオイリー肌になりますので、洗顔で一日二回皮脂をしっかり落とし、脂とり紙も使いましょう。皮脂が残るとその刺激でさらに毛穴が開きます。ただしクレンジング(メイク落とし)を強くすることは(前述したように)間違いです。クレンジングは弱めにし、洗顔をしっかりしましょう。

②角栓が目立つタイプ
さわるとざらざらする、「イチゴ毛穴」などと呼ばれるタイプです。鼻とその近辺の部分によく見られます。このタイプは実際に黒い角栓が詰まっています。これは皮脂と角質がまじり合って毛穴の出口に詰まったもので、洗顔でもなかなかとれません。酵素洗顔料を使うとある程度角栓ができることを予防できますが、完全になくすことは難しいものです。はがすタイプの毛穴パックなどで角栓をとるものもありますが、使いすぎると刺激でかえって毛穴が開いてしまうので、二週間に一度くらいにとどめましょう。角栓ができてしまうのは体質的なもので、洗い方が悪いからではありません。

③たるみ毛穴
ほほの毛穴が縦長に開いてくるもので、30代くらいから目立ち始めます。加齢で真皮のコラーゲンが減ることが関係しているので、コラーゲンを増やすようなケアを取り入れましょう。ビタミンC誘導体(リン酸アスコルビル)やナイアシン(ビタミンBの一種)が配合された化粧品を使うことが有効です。このタイプは毛穴が黒く見えても詰まっているわけではなく、強く洗うと乾燥して肌荒れを招くので気をつけましょう。いずれのタイプの場合も、毛穴を目立たなくすることは容易ではありません。自分でできるケアは、毛穴を縮めるものというよりは悪化を予防するものと考えましょう。どうしても気になる人は、美容皮膚科などで相談しましょう。毛穴縮小のためのピーリングやレーザー治療を行うところが増えています(保険適応にはなりません)。

正しいクレンジングの手順

肌にやさしいクレンジングを選んでも、使い方が悪ければ意味がありません。化粧品、特にクレンジングや洗顔などの洗浄するものは、「選び方半分、使い方半分」と心得ましょう。つまり、正しく選んだだけでは完結していないのです。クレンジングはまず、たっぷり使うことがポイントです。量が少ないと肌を摩擦していためます。クレンジング料を手のひらに500円玉大くらい出し、Tゾーンから伸ばしていきます。Uゾーンに手早く広げ、目元・口元にも薬指でやさしくなじませたらぬるま湯(38~40度くらい)ですすぎます。

すすぎまでの時間は40秒以内を目標に。肌に触れている時間が長いと、それに比例して肌はいたみます。すすぐときもコツがあります。手のひらにすくつた湯に顔をつける感覚で。決してこすってはいけません。お風呂場でクレンジングするときは、シャワーを顔にかけるのでもよいでしょう。手でこすると肌がいたむので、なるべくさわらないほうがよいのです。クレンジングをすすいだときに多少ヌルツとした感覚が残っていても、気にせずそのまま洗顔へ進みます。

クレンジングでメイクを完全に落としきろうとする人がいますが、それだと洗いすぎになります。クレンジングと石鹸洗顔とのW洗顔が基本ですから、クレンジングの段階ではメイクは6割程度落ちていればよいのです。またクレンジングのとき、毛穴の汚れも落としきろうと思ってクルクルとこする人がいますが、こすることは肌の黒ずみや赤ら顔の原因になります。特にほほ骨のあたりを摩擦すると、長年の間に黒ずんだり血管が浮いて赤ら顔になったりします。クレンジングはあくまでもメイクを落とすもの。毛穴の手入れをするものではないと心得ましょう。

ミルクがやさしいという幻想

ミルクタイプのクレンジングというものもあり、やさしいイメージで最近人気ですが、ミルクはクリームよりも水分が多いのでメイクとのなじみは悪くなります。それでもしっかりとメイクを落とすために、界面活性剤を強化してあるものもミルククレンジングの中にはあるようです。クレンジングの作業の際には、水分はどちらかというと邪魔になります。クレンジングをする際には、手や顔が濡れていない状態でスタートするのが基本ですね。

初めから水が混じると、メイクが浮かびにくくなるという経験をした人も多いでしょう。メイクアップは油性なので、水とは混じりにくいもの。油は油で浮かせる必要があります。ミルククレンジングは水分を含んでしまっているので、クレンジングの基本にのっとって考えれば合理的とはいえません。ミルクという響きはお母さんのお乳を連想するためかやさしいイメージがあるようです。

クレンジングのミルクは母乳や牛乳とは似ても似つかないもので、油分に水と界面活性剤を加えて乳化させるとあの乳白色になるのです。前述したようにクレンジングはどうしても、メイクを落とす洗浄成分を含んでいるので多少は肌に負担をかけます。「肌にまったく悪くないクレンジング」というものは、ないと思ってください。「髪に悪くないパーマ」がないのと同じです。よって、負担を少しでも軽減するためにクレンジングは慎重に選ぶべきなのです。

クレンジングの選び方

特に洗浄力が強いのは、オイルやリキッド(液状)タイプのクレンジングです。比較的やさしいのはクリームやジェルタイプですが、それもものによりますので、実際には使ってみないとわかりません。クレンジングの基本的な仕組みは、まず油分でメイクを浮かせて、界面活性剤で水と乳化して流すというものです。そのためクレンジングのほとんどは、油分と界面活性剤を含みます。含まれる油分がメイクを浮かすために適量であることと、それを乳化する界面活性剤が強すぎず弱すぎず適度であることが、肌に合うクレンジングの条件です。

油分が多ければ、メイクは簡単に浮き上がりますが、それを水で乳化して流すためには多量の界面活性剤が必要になります。反対に油分が少なかったり水分が多かったりすれば、メイクとのなじみが悪くなるので、そこを補うためにまた界面活性剤のお世話になることになります。つまり油分の量というものが、バランスよいクレンジングを選ぶためのひとつの目安になります。界面活性剤が強いかどうかは、みただけではなかなかわかりません。しかし油分は目で見たり手でさわってみれば、多いかどうかある程度わかります。

ラーメンが脂っこいかどうかは見ればある程度わかるというのと同じです。まずは油分の量でクレンジングを選ぶことを考えてみましょう。明らかに油分が多いのがオイルクレンジング、少ないのがリキッドクレンジングやシートタイプのふきとりクレンジングです。先述したように、油分は多すぎも少なすぎもよくないので、これらのクレンジングはベストバランスとはいえないようです。クリームタイプか乳化ジェル(油分を含む白いジェル)の中に、バランスのよいものが多いのです。

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