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コラーゲンを増やすにはどうしたら?

「コラーゲンが減ることが問題なら、コラーゲンを飲めばよいじゃない」と思う人もいるでしょう。しかし飲んだコラーゲンは、そのまま肌のコラーゲンにはなりません。飲んだコラーゲンは胃腸で分解されて、アミノ酸になります。コラーゲンのまま吸収されることはないのです。アミノ酸はコラーゲンを作る材料にはなりますが、コラーゲルを作る線維芽細胞が老化して働かなくなっているところへ材料だけ補給しても、コラーゲンをどんどん作り出すことはできません。老朽化した工場に原料だけ送り続けても、工場のほうも困
ってしまいます。

塗るコラーゲンというものもありますが、これも肌に浸透はしません。最近では分子を小さくしたコラーゲンを配合した化粧品も売られているようですが、分子が大きいのがコラーゲンの定義ですから、分子が小さいコラーゲンというのは「低い高層ビル」というのと同じくらい矛盾しています。もちろん分子の小さいコラーゲンは本当のコラーゲンでなくアミノ酸などですが、それらがもし仮に肌に浸透したとしても肌のコラーゲンにはなりません。美容医療で「コラーゲン注射」というものが昔から使われています(最近はヒアルロン酸が主流になりつつありますが、浅いシワ等には現在も使われています)。

牛から取り出したコラーゲンを皮膚に注射してシワを目立たなくするというものですが、注射で入れても数ヶ月で吸収されてなくなってしまいます。人間の体は基本的に、自己以外のものを受け付けないからです。体内に入ったものを何でも自己の体と同一化してしまったとしたら、それも問題です。牛のコラーゲンも人間のコラーゲンと違うので、定着はせず、吸収されてなくなってしまうのです。飲むコラーゲンや化粧品に含まれるコラーゲンが仮に真皮に届いたとしても、自分のコラーゲンではないので定着はしません。

ちなみにサプリメントや化粧品に使われるコラーゲンは魚のウロコからとったものがほとんどです。かつてはこれらも牛由来でしたが、BSE問題があってから原料が魚に変わりました。魚のウロコは90%以上がコラーゲンでできており、コラーゲンを抽出するのに効率がよいのです。ウロコから抽出したコラーゲンは、そのままでは魚くさくて化粧品などには使えないので、脱臭処理をしてから使われています(海由来なのでマリンコラーゲンなどと呼ばれます)。また、「コラーゲン鍋」のような食べ物に使われるコラーゲンは、大半がゼラチンです(ゼラチンはコラーゲンの一種です)。