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シワは乾燥ではない

シワは、乾燥でできるわけではありません。「コラーゲンが減るからシワができる」ということはみな漠然と知っているのに、例えば目元のシワを見るとどうしても「目元が乾燥している!」などと思ってしまうのはなぜでしょう。シワシワの干し柿やレーズンを思い浮かべるからかもしれません。そして思わず化粧水をたたきこんだりして、乾物を水でもどすようにシワが伸びることを期待してしまうのです。しかし、この有効とはいえないケアによって、さわった分だけ肌は確実にいたむのです。

果物は干すとシワシワになります。しかし、肌は遠います。何が違うのかというと、果物は干しておけばどんどん水分が蒸発しますが皮膚は奥の奥までは乾燥しません。前述した皮膚の構造の中で、乾燥して水分が奪われるのは表面の角層だけです。角層より下の表皮や真皮の部分は生きた組織なので、冬であってもエアコンが効いた部屋にいても、そこからは水分は蒸発しません。もし生きた細胞からもとめどなく水分が蒸発していけば、細胞は死にいたり、ついには人間も死んでミイラのようになります。それでは危なくて、うっかりエアコンもかけられません。

植物も、生きた状態では無限に水分が蒸発することはありません。木になった柿が干し柿になってしまうことはありませんね。しかし収穫した果物は、乾いた空気の中においておけばどんどん水分が抜けてドライフルーツになります。話をシワに戻します。角層は厚さ20ミクロンしかなく、そこから水分が抜けてゴワゴワになったとしてもはっきり見えるほどのシワにはなりません。ドライフルーツは果物全体が乾燥してクシュクシュとシワがよりますが、肌はそれとは違うのです。表面の死んだ細胞(角層)から水分が蒸発しても、奥の生きた細胞の水分は保たれているからです。肌のシワは、干し柿のシワよりも洋服のシワに近いものです。

繰り返し同じところを折りたたむと、服の繊維がよれてシワになりますね。シワの部分は他の部分より少し生地が薄くなっているはずです。皮膚でも同じことが起こっています。表情に合わせて皮膚が動き、同じところが折りたたまれることによってコラーゲン線維がよれたり切れたりしてシワが刻まれます。加齢でコラーゲンが硬くもろくなり、また前述したように鉄筋とボルトの構築が壊れていくので、シワ現象は加速していきます。「シワは乾燥」と思いこんでドライフルーツのように扱っていると、シワはいつまでも改善しません。コラーゲンの減少を食い止めるケアこそが、有効なシワ対策になります。