記事一覧

化粧水への間違った思い込み

スキンケアの中では特に、化粧水を重視する女性が多いようです。「化粧水は安物でいいからたっぷりと」「化粧水を100回パッティングするとよい」などという、化粧水に関する格言もたくさんあります。なぜこうも、化粧水を重視する人が多いのでしょう。「肌をうるおしてみずみずしく保ちたい、そのために必要なのは水分だ」という思い込みが定着している人が多く、それが化粧水信仰の基盤となっています。その思い込みを女性の頭から取り除くのは、まさに至難の業です。事実、どんなに肌状態が悪いときでもとりあえず化粧水だけはつけるという人が多いことも、化粧水信仰の厚さを物語っています。

この化粧水信仰を捨てることから美肌は始まるといっても過言ではありません。確かに肌には水分が大事ですが、肌の水分の源は化粧水ではありません。前述したように、肌の水分を守っているのは主にセラミドという保湿物質です。セラミドが減ると、肌は水分を失って乾燥します。セラミドは水と結合して、肌の水分が蒸発しないようにつなぎとめています。風が強い日、洗濯物が飛んでいかないように守る洗濯バサミと同じように、セラミドは水と結合して、水分が飛んでいかないように守っています。洗濯バサミがなければ洗濯物は瞬時にみな飛んでいってしまうでしょうが、それと同様にセラミドがないと、肌の水分はみるみる空気中に蒸発していってしまいます。

セラミドにつかまえられている水は、どこからくるのでしょう。それは体内から常にわきあがってきているのです。肌の水分のもとは、化粧水でなく体内にある水です。人体の3分の2は水でできていますから、体内から肌の表面に向かって常に少しずつ水が染み出してきます。それを蒸発しないようにはさみこんで守っているのがセラミドです。つまり洗濯物を守る洗濯バサミと同じくらい、セラミドは重要な存在です。それでも女性の多くはセラミドでなく水分にばかり気がいって、水分をおぎなうために化粧水ばかりつけ続けるのはなぜでしょう。洗濯場における主役は洗濯物です。洗濯バサミではありません。同様に「うるおい肌」の主役は水分であってセラミドではありません。

そのためどうしても主役のほうに目がいってしまうのでしょう。しかし主役が吹き飛んでしまっては、うるおい劇場もそれでおしまいです。体の中から水分は無限にわきあがってくるので、意識すべきは水分そのものでなくそれを守るセラミドです。洗濯物はどんなに洗っても無限に出てくるから、大事なのはそれが飛んでしまわないように守ることです。セラミドを無視して化粧水ばかりつけ続けるのは、洗濯バサミも使わずどんどん吹き飛ぶ洗濯物をそのまま放置して、あとから新しい洗濯物を干し続けるようなものです。大切な肌の水分を失わないために、まずは「飛んでいかないように守ること」が大切だと心得てください。