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クレンジングの選び方

特に洗浄力が強いのは、オイルやリキッド(液状)タイプのクレンジングです。比較的やさしいのはクリームやジェルタイプですが、それもものによりますので、実際には使ってみないとわかりません。クレンジングの基本的な仕組みは、まず油分でメイクを浮かせて、界面活性剤で水と乳化して流すというものです。そのためクレンジングのほとんどは、油分と界面活性剤を含みます。含まれる油分がメイクを浮かすために適量であることと、それを乳化する界面活性剤が強すぎず弱すぎず適度であることが、肌に合うクレンジングの条件です。

油分が多ければ、メイクは簡単に浮き上がりますが、それを水で乳化して流すためには多量の界面活性剤が必要になります。反対に油分が少なかったり水分が多かったりすれば、メイクとのなじみが悪くなるので、そこを補うためにまた界面活性剤のお世話になることになります。つまり油分の量というものが、バランスよいクレンジングを選ぶためのひとつの目安になります。界面活性剤が強いかどうかは、みただけではなかなかわかりません。しかし油分は目で見たり手でさわってみれば、多いかどうかある程度わかります。

ラーメンが脂っこいかどうかは見ればある程度わかるというのと同じです。まずは油分の量でクレンジングを選ぶことを考えてみましょう。明らかに油分が多いのがオイルクレンジング、少ないのがリキッドクレンジングやシートタイプのふきとりクレンジングです。先述したように、油分は多すぎも少なすぎもよくないので、これらのクレンジングはベストバランスとはいえないようです。クリームタイプか乳化ジェル(油分を含む白いジェル)の中に、バランスのよいものが多いのです。

やりすぎクレンジングがセラミドを奪う

クレンジングとは、メイクを落とすものです。クレンジングを選ぶ際に知っておくべきことは、クレンジングは洗顔料よりも洗浄力が強い。つまり刺激が強いということです。メイクアップは普通の洗顔だけではきちんと落ちないので、そのためにクレンジングが必要になります。よってクレンジングは、必然的に洗顔料よりも洗浄力が強いのです。特に最近は肌に密着して汗でもくずれないファンデーションや、リキッドアイライン、マスカラなどの落ちにくいメイクアイテムが登場しています。それにあわせてクレンジングも進化しているため、洗浄力のかなり強いものも登場しています。

また働く忙しい現代女性たちは、さっと簡単にメイクを落としたいと思うために、どうしても強力クレンジングに手が伸びてしまう傾向があるようです。「サッと簡単オフ」などという簡便さをうたうものは、強力にメイクをはがしとるため、当然肌にも負担をかけます。強いクレンジングが肌のセラミドを溶かしだし、乾燥肌を作り出すのです。クレンジングは床掃除とは違うので、ただ「サッと落ちればよい」というものではありません。クレンジングを選ぶときは、メイクを落とすことだけでなく肌のことを考えて選ばないといけないのです。

本当は、メイクもしないでクレンジングもしなければ肌には負担がないのですが、そういうわけにもいかない人が多いですし、メイクはUVケアのためにある程度必要です。毎日つけたりとったりするわけですから、当然、肌への負担は相当なもの。それを頭においた上でメイクしたりクレンジングしたりするようにしましょう。またクレンジングで毛穴の汚れも落とそうとして強くこすったり、クレンジングのついでにマッサージをしてしまうなど、クレンジングに付加的な効果を求めてしまう人がいますが、それは肌トラブルのもとです。どんなに上質のクレンジングでも、洗浄するものである以上多少は肌に負担をかけます。クレンジングは最小限に行うよう心がけましょう。

「とりビー」がごとくの化粧水

居酒屋では初めに「とりあえずビール」と頼む人が多いので、これを「とりピー」と言うそうですが、女性は洗顔後に「とりあえず化粧水」をつけないと落ち着かない人が多いようです。とにかく日本人女性は、化粧水が好きです。欧米では「洗顔後まず化粧水」という習慣はなく、美容液かクリームをつけて終了という人が多いのですが、日本人は先に化粧水をつけないと落ち着かない人がほとんどです。しかし、化粧水の水分が肌の水分になるわけではありません。肌の水分は前述したように、体内にある水が肌の奥からわき上がってきているものです。化粧水をつけないで保湿美容液だけでも、肌にはなんら問題は生じません。

つけてはいけないというわけではないのですが、化粧水は刺激になることがあるので、肌の調子が悪いときはつけないほうがべターです。肌が荒れているときに化粧水をつけて、ビリビリとしみた経験がある人は多いでしょう。水っぼいものほど刺激になりやすいので、肌がデリケートになっているときは化粧水を省いて美容液かクリームだけをつけるほうがよいのです。ところが、この話を女性に受け入れていただくのは至難の業です。化粧水信仰はかくも深く、女性たちの心に根づいています。たとえばうっかりしてひどく日焼けしてしまった場合や、化粧品で顔がかぶれて真っ赤になってしまった場合など、診察にいらした女性の多くが「とりあえず化粧水だけつけていました」とおっしゃいます。

また、例えば花粉で肌が荒れた女性に「これは花粉によるものだから、時期がすぎれば落ち着きます」と説明すると、「じやあとりあえず化粧水でもつけておけばよいですか」と言われます。このような「とりあえず化粧水」現象は、医者からすると、とても不思議なことです。女性の多くが化粧水はまさに「命の水」と信じていますから、もちろんどんなときもそれは必要だと考えています。だから、真っ先につけようとするのでしょう。しかし医者からみれば、肌がひどく荒れてしまったというこの非常事態に際して、化粧水というあってもなくてもよいものにこだわるということが不思議です。

何か重大な病気になったときに「香水はつけてもよいですか」と言うようなもので、だめとは言わないけれども「そんなこと言っている場合じゃないでしょう」という感は(医者の側としては)否めないものです。肌が荒れたときにとりあえず何かつけるならば、化粧水でなくクリームか保湿美容液です。最低限の保湿は必要だからです。化粧水は90%以上が水なので、保湿としては十分とはいえません。保湿成分を含んだ美容液かクリームだけをつけるのがよいでしょう。しかし極度に荒れた肌にはそれも刺激になることがあります。もし美容液をつけてみて刺激を感じるようならばクリームを、それもしみるならばワセリンをつけるとよいでしょう。

化粧水が悪いものなのかというと、そういう意味ではありません。「とりピー」で疲れが癒されるのと同じように、洗顔後につける化粧水で心にしみいる心地よさを感じる人もいるようです。そういう癒し効果を求めて化粧水をつけることは、悪いことではありません。心地よいと感じるメンタルな効果は、肌によい影響を与えるものです。ただし、肌が荒れたときは、化粧水はお休みしましょう。肌にとって化粧水が不可欠であるという考えは捨て、あくまでとりピーのようなものであることを心に留めておきましょう。欧米では水道水が硬水で、石鹸が泡立たなかったり肌に残ってしまったりするため、水洗顔しない人も多いのです。

そのかわりに化粧水(トナーと呼ばれる)で汚れをふきとることが普及しています。化粧水をうるおいのために顔にパッティングしたり、シートにふくませて顔にはりつけたりする習慣はありません。化粧水の水分が肌の水分になるわけではありません。肌の水分は、体内にある水が肌の奥からわき上がってきているものです。そして、肌の水分を守っているのは主にセラミドという保湿物質です。化粧水が悪いものなのかというと、そういう意味ではありません。洗顔後につける化粧水で心にしみいる心地よさを感じる人もいるようですので、そういうメンタルな効果は肌によい影響を与えるものです。ただし、肌が荒れたときは、化粧水はお休みしましょう。

美肌化粧品の探し方

このように説明すると、「後ろに数字がついたセラミドが入っていれば、なんでもよいか」と言う人がいますが、もの事すべて、「なんでもよい」ということはありません。もちろんものによってばらつきがあるので、最終的には自分の肌で試す必要があります。朝つけたら、夕方までうるおいがもつものが質のよいセラミド化粧品です。数時間たって乾燥してきてしまうようであれば、セラミドを使う意味がありません。セラミドに限らず、「クリームタイプのクレンジングがよいです」とお話すると、「クリームならなんでもよいですか」と言う人がいますし、「固形石鹸がよいです」と言うと「固形ならなんでもよいですか」と言う人がいます。

実際の商品はもちろんいろいろで、なんでもよいということはあり得ません。化粧品の成分はすべて表示されていますが、そのすべてを理解することは難しいですし、理解しても濃度まではわかりません。そのため、化粧品はすべて使ってみないとわからないのです。あなたがもし、明太子のパスタが好きだとしても、明太子のパスタならなんでもいいとはいえないでしょう。「明太子、のり、しようゆ、バター」というすべての内容物がわかったとしても、口に合わない場合もあります。

結局「食べてみないとわからない」のです。乾燥を改善するためにセラミドの美容液を購入して、改善しないのに「セラミドだからこれでいいんだろう」とそのまま漫然と使い続けている人がいますが、それはナンセンスです。「セラミドが入っている」というのは「明太子が入っている」というのと同様、ひとつの目安でしかないのです。最終的には、自分に合うか合わないか、決めるのはあなたです。

セラミド化粧品はなぜ見つからないか

セラミドが注目を集め、セラミド配合の化粧品が求められるようになる一方、それを探すことの難しさが時として問題となっています。ネット上では「セラミド難民」なる言葉も生まれているようです。よいセラミド化粧品がなかなか見つからないのはなぜか、以下に主な原因を挙げてみます。

原因① セラミドは、化粧品原料の中では比較的高価である
そのため、類似物質などで代用するメーカーが多いのです。カニが高いからカニかまぼこで代用するような話です。価格も選ぶ際の目安で、セラミド美容液1本3000円以上がひとつの目安で、それ以下のものは疑似セラミドか、配合量が少ないものが多いようです。

原因② 配合技術が難しい
セラミドはそのままでは水にも油にも溶けないもので、安定的に配合するには技術が必要です。溶解した形で化粧品原料として売られているセラミドもあるのですが、それらを使って化粧品を作ると、濃度が非常に低くなってしまいます。粉末のセラミドの状態で原料として仕入れて製品化することができる化粧品メーカーとなると、ある程度限られてきます。

原因③ 化粧品の表示問題
日本では不思議と、(本物の)セラミドが入っていない化粧品でも「セラミド」とパッケージにうたうことが認められています(成分表示上には入っていないものは表示できませんが、ネーミングなどにセラミドの名前を使うことはできます)。他にも「植物性コラーゲン」「植物性プラセンタ」などというものも、本物のコラーゲンやプラセンタではありません(植物にコラーゲンやプラセンタは存在しません)。「なぜ入っていないものを表示してよいの?」と思ってしまいますが、無果汁のオレンジジュースもあるので、それと同じようなものといえるでしょう。ただし、本物でないものを買う場合は、本物でないことを知った上で購入するようにしましょう。カニかまぼこも、それと知って買う分には問題ありません。本物のセラミドを使いたい人は、成分表示上で数字を付したセラミドを確認して購入するようにしましょう。

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